春の足音がすぐそこまでやってきてはいるもののまだまだ寒い日が続き鍋物が恋しい季節が続きます。
高級魚を使った鍋と言って真っ先に思い付くのがフグ。
最近では養殖の技術が発達して比較的安価でトラフグも食べられるようになりましたがその養殖トラフグとは比べ物にならないほど美味いのがアカメフグ(ヒガンフグ)。
それはフグ料理屋も一目を置くほどの美味さ。
このアカメフグ専門の乗合船を東京湾で最初に出船したのがフグ釣りのパイオニアとして知られる老舗、八景・野毛屋だ。
フグ船を担当する黒川健太郎船長のアカメフグに対する情熱は並々ならぬものがあり全ての釣り人にこの絶品アカメフグの食味と引き味の魅力を知ってもらおうとポイント開拓に余念が無い。
湾フグと言えば昔からショウサイフグ釣りが有名だがこのショウサイフグをも凌ぐ高級品がアカメフグ。
東京湾でアカメフグと呼ばれているのは標準和名ヒガンフグと言いショウサイフグに比べ大型になり身は締まりが良く硬質で引き味もバツグン!
2月に入り2kgオーバーの特大アカメまで上がりだしたと聞き、2月12日(火)釣行した。
この日は予報に反して北風が強く最大で12m程吹いている時間もあり特に午前中はフグの小さなアタリを取る事もままならず大苦戦。
午後になり多少収まってきたものの陽も出ず非常に寒い1日でした。
そんな中、最初のアタリがあったのは上げ潮流れに変わった12時半頃。
僅かな変化を捕えてヒットしたもののやり取りの途中で竿先が風にあおられて痛恨のバラシ。
日によっては数回しかないアタリを取れたもののバラシとはツキにも見離された気もしましたが直後に右大ドモの釣人がヒットさせたのでチャンスタイムとみるやエサを付け直して急いで投入すると続けてアタリがありまして今度は慎重にやり取りをして上がってきたのが0・7kgのアカメフグでした。
私が使用している仕掛けはHP『池田健吾の爆釣天国』内オリジナル仕掛けコーナーでも紹介している『池田式東京湾フグカットウ仕掛け』でフグは潮色や天候によって仕掛け(オモリ)の色によるアタリ・ハズレが大きいため魚のアタリがなかなか出ないのはカラーセレクトが間違っているのでは?とホワイト、蛍光赤、ブラック、グリーンラメ、蛍光オレンジ、ケミブライトグリーンなど色々なカラーを試していたところブルーラメにチェンジした途端連発してアタリがでました。
ちなみに常連さんの使用しているカラーを見せていただいたらこの日は蛍光オレンジと夜光グリーンでアタリが多かったそうです。
その後、小さなアタリがあり外道のシロギスがヒットしたりでしたが終了30分程前になりカラーをブルーラメから蛍光赤へチェンジした途端、再びフグのアタリがありこれも確実にキャッチするとかなりの引き。
慎重なやり取りの末、タモに収まったのは1・4kgの良型アカメフグでした。
結局、アカメフグは0・7~1・4kgの2尾でしたが計2・1kgと重量感タップリで大満足でした。
なお、釣れたフグは神奈川県フグ包丁師の資格を持つ船長が捌いてくれるから安心です。
アタリの少ない時間は健太郎船長と共通の趣味である大好きな長渕剛さんの話で盛り上がったりで寒さの厳しい1日でしたが楽しんできました。
そもそも健太郎船長と仲が良いのは私の釣友でもあり健太郎船長の常連客でもあるO氏に『剛好きな船長がいるんだよ!』と紹介してもらってからで学年も私の1つ下と言う同年代と言う事もあって意気投合。
それ以来、釣りの取材時はもちろんプライベートでもちょくちょく情報交換させてもらったりする仲になりました。
船長の剛好きはキャビンや操舵室などを見れば一目瞭然。
ステッカーなどが貼られ船内至るところに表れています。
前はお客さんの少ない日などは船長も良く竿を出してましたがとにかく上手い。
毎日沖に出ているしフグの事に関しては誰より物知りなので釣れるのも当然と言えば当然だが誰にも釣れない時間でも1人釣るため『何でそんなに釣れるの?』と聞いた事があります。
その時船長は『アタリの無い時間は剛の曲を心中で唄うんだよ』ですって。
そして、リズムに合わせて竿先をシャクると不思議とフグがヒットするんだって。
何の曲が一番釣れるかは秘密で教えてくれなかったですが・・・。
ちなみに昨日も午前中アタリが1度も無く集中力が切れそうになった時にその言葉を思いだし心の中で唄ったら『ズドン!』とヒットしました。
何だかわかったような気がします。
『船長、あの唄だよね~(笑)』
なお、この模様は2月25日付け東京中日スポーツ内、釣り欄連載『池田健吾の爆釣天国』に掲載予定ですのでお楽しみに!